四つ竹三線 その1 皮張り編
- 2015/02/22 00:05
- カテゴリー:修理
今回の修理依頼は胴体のみのお持ち込みです。
この胴体に皮を張り、新しい棹を取り付けて演奏出来る状態まで仕上げます。
お預かりした胴体(右)はかなりの年台物。
大きさもちょっと小さめですね。
まずは皮張りの準備をします。
いつものように、以前に張ってあった皮の残りを綺麗に剥がす所からスタート。
付着した接着剤もヤスリを使って丁寧に削り取ります。
また、この時点で破損している箇所も補修しておきます。
次に、新しい棹を胴体に取り付けてブーアティー(分当て:角度調整)をします。
胴体との隙間がかなり開いてますね~
通常は胴体を削って隙間を無くすのですが、裏面の皮が残っているので削る事が出来ません。
こういう場合は…。
黒木の粉を使って「盛り」を作り、棹との隙間を無くしました。
胴体の丸みとスムーズに繋がるように多少広めの範囲まで盛りを作るのがポイント。
ヤスリで削って形を整え、同時に皮一枚分の隙間も作っておきます。
そして今回チョイスされた皮はこちら。
鮮やかな色合いが魅力の、四つ竹柄・紫バージョンです。
さらに張り方にもこだわりの注文が!
「三線を構えた時に、柄が水平に見えるように張って欲しい」とのご注文。
通常の位置より60度左に回転させ、三線の棹を30度持ち上げた際に柄が水平となるように調整しました。
皮を伸ばして胴体に貼り付けます。
普段と違う事をしていると、ちょっとワクワクしますね~(^^;
綺麗に張りあがりました!
表面にコーティングをして仕上げます。
棹を取り付けるとどんな感じになるのか、とても楽しみです。
四つ竹三線 その2 完成編に続く