皮張り行程(強化張り・蛇皮表編)
- 2016/07/07 13:35
- カテゴリー:三線製作
前回の「皮張り行程(強化張り・下地編)」で下地が張りあがったので、次は蛇皮の張り付けです。
あらかじめ濡らして柔らかくしておいた蛇皮を、鉄枠に挟みます。
ナビィ三線ではこのような「湿式」で張りますが、蛇皮を濡らさずに張る「乾式」を採用しているお店もあります。
音色の面では、上手に張りさえすればどちらの方式でも満足の行く音色が得られますが、途中の行程では双方に一長一短があります。
まずは下地に接着剤を塗ります。
画像では分かりづらいですが、接着剤を全体に伸ばした状態です。
鉄枠に挟んだ蛇皮を上に乗せます。
接着剤が固まり始まるまで10分ほど余裕があるので、その間に胴体に対してまっすぐになるように位置の補正をします。
写真を撮り忘れてしまいましたが、下地と蛇皮の間の空気を完全に追い出す事もこの時点で行います。
ジャッキアップして蛇皮を伸ばします。
蛇皮の厚みは一枚一枚違うので、乾燥後の音色を想定しながら張りの強さを慎重に、時には大胆に調整します。
経験と勘が必要とされる行程です。
接着剤が固まり、蛇皮がある程度まで乾燥したら鉄枠から外します。
まるで羽付きの餃子のような姿です。
この時点ではまだ側面は接着されていません。
胴体の側面に蛇皮を張り付けます。
接着剤を流し込みながら、ホースバンドで固定して接着します。
余った蛇皮を切り落として…
片面が完成しました!
切り落としの直線も綺麗にまっすぐ仕上がりました。
次回、最終工程「皮張り行程(強化張り・完成編)」に続きます。