~ 歌口の修理 ~
今回は「歌口の弦間隔」の修理です。
修理前の状態はこんな ↑ 感じです。
弦の間隔が不揃い(右側が狭い)なのに加え、3本の弦全体も右に寄ってしまっています。
このまま使い続けると演奏上良くないクセが付いてしまう恐れがあるので、早急に修理が必要な状態でした。
溝の位置を正しく刻んだ歌口を、新しく取り付けました。
しかし、以前の弦間隔に慣れていた影響からか「男弦の振動がまれに指に当たってビビリ音が発生してしまう」(男弦を弾いたあとに中弦を弾いたとき)というトラブルが新たに発生。
このため、さらに弦間隔を若干広げる対応となりました。
以前の弦間隔12ミリの歌口より1ミリ広い「弦間隔13ミリの歌口」を、新しく製作します。
新しい歌口を棹の溝にはめ込み、13ミリのガイドを使って溝の位置に印を付けます。
極細のヤスリを使って精密に溝を刻みます。
同時に溝内部の角も丸く削り、弦がスムーズに通るように仕上げます。
棹に取り付けて弦を張れば修理完了!
弦間隔が13ミリに拡張されました。
「たかが1ミリ…」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、弦楽器の1ミリは想像以上に大きな変化をもたらします。
左手の押さえで悩みを抱えている方は、一度三線の状態をチェックされてみてはいかがでしょうか?
弦の間隔や位置はもちろんですが、歌口での弦の浮き上がりの高さを調整する事によっても弾き心地は変わります。
三線の調整をして心機一転。
これで今年1年も、楽しく気持ちよく三線を弾いていけることでしょう。
以前にアップした修理の記事はこちら↓
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