怒濤のカラクイ修理ラッシュ!


今日はカラクイ修理デー?!


この日は「カラクイを修理してほしい、交換してほしい」という方が、三線を手に次々と来店されました。

その数5組!

これまでも4組くらいはありましたが、さすがに5組まではなかったような気がします。

そのうち3人は口コミで「ここがいいよ~」と薦められたそうで、中には離島からわざわざ来られた方もいらっしゃいました。

ここ数日、毎日のように「薦められて」という声を頂き、本当に嬉しくありがたい限りです。m(_ _)m

再び楽しい三線ライフを送れるように、きっちり仕上げてお渡しします♪^^♪

また、修理が完了してお渡しする際には、カラクイの巻き上げ方のコツや弦の巻き方なども同時にお教えしています。

カラクイ修理1号


カラクイ修理ビフォーその1
このカラクイは黒檀製ではなく黒塗りがされている物ですね。

ヤスリで削ると、塗装面が剥がれて白木が顔を出します。

塗装のせいかは分かりませんが、強く押し込んでも止まらずにツルツルと滑る感じでした。

カラクイ修理アフターその1
削り直し完了です。

削り跡が白木のままでは見た目の違和感が大きいので、浸透製の高い染料で黒く色を付けてみました。

カラクイを回した時の感触にはほとんど影響が無かったので、ホッと一安心です。

カラクイ修理2号


カラクイ修理ビフォーその2
カラクイ修理2号です。

このように「滑り止めと思われる溝」を付けているカラクイはよく見かけますね。

溝付きのカラクイはきちんと止まる物もあれば、全く効果がなく滑ってしまう物もあります。

その比率は半々くらいでしょうか。

このカラクイの場合は、止まる箇所と滑る箇所が交互に来る感じで、カラクイの太さも穴に合っていないのでガタ付きが大きい点が問題でした。

カラクイ修理アフターその2
削り直しが完了しました。

穴に合わせてカラクイの太さを合わせてあるのでガタ付きもなく、どの回転位置でもほぼ同じ抵抗で快適に回るようになりました。

カラクイ修理3号


カラクイ修理ビフォーその3
カラクイ修理3号です。

これはヒドい・・・。

あまりこんな言い方はしたくありませんが、「小学生の工作と同レベル」です。

このような状態の物を販売してはいけません。

カラクイ修理アフターその3
削り直しが完了しました。

棹が上等の黒木だったのでカラクイがよく食い付き、以前とは比べものにならないとても快適な回し心地となりました。

カラクイ修理4号


カラクイ修理ビフォーその4
カラクイ修理4号です。

カラクイが3本とも別々な物が付いていますね。

沖縄ではカラクイが折れた際、その1本だけを交換する事が多く、このように別々のカラクイが付いた三線をよく目にします。

カラクイ以外には、歌口のズレも気になるポイントです。

3本の弦全体が左に寄っているので、あまり良い状態とは言えません。

カラクイ修理アフターその4
カラクイと歌口の交換が完了しました。

写真では分かりにくいですが、棹に付いた縦長の白いキズと弦との位置関係で、歌口が直っていることが分かると思います。

カラクイ修理5号


カラクイ修理5号は急ぎでの作業となり、写真を撮る暇がありませんでした。m(_ _)m

カラクイを軽視するなかれ!


カラクイは止まらない事には始まりませんが、「止まればいい」というだけの物ではありません。

きちんと機能を果たした上で、見た目にも美しいのが理想です。

何十万円もする上等黒木の三線に、削り加工の良くないカラクイが付いていることが非常によくありますが、見るたびにとても残念な気持ちになります。

棹はとても美しく出来ているのに、カラクイの削りがボロボロだったり、長さが不揃いだったり、段差が棹に接触していたり・・・。

そのような三線は大抵の場合、カラクイ以外の部分にも随所に手抜きが目立つことが多々見受けられます。

恐らくその職人は「棹にしか興味がない」のでしょう。

とても残念なことです。

カラクイは三線価値観のバロメーター


自分の知る限りでは、素晴らしい「棹職人」は大勢いますが、素晴らしい「三線職人」は数えるほどしか存在しません。

棹に掛ける並々ならぬ情熱を、ほんの少しでもカラクイや他の部分にも回せばもっと完成度の高い素晴らしい三線が出来上がるのに・・・。

そんな風に思わずにはいられない、楽器として生まれたとは思えない哀れな三線が数多く存在します。

三線店や三線の展示会などで色々な三線を見る機会がある場合は、まずカラクイの削りに注目してみてください。

その職人の価値観を推し量る事が出来るでしょう。

棹にばかりこだわり過ぎる偏った価値観が変わっていくよう、今後も微力ながら尽力していきたいと思います!

(文章・写真:店主)

 


 

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あなたの三線は大丈夫?

三線の健康状態を長く保つために、三線ドックを受けてみませんか?

棹や皮の状態はもちろん、ブーアティー、塗りの状態、カラクイの削り具合、歌口の状態、弦や糸掛け・ウマに至るまでを徹底的にチェック!

検査結果によって修理や調整が必要な場合は、修理内容や費用・期間などもお知らせします。

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料金:3,000円(一丁)
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2 Replies to “怒濤のカラクイ修理ラッシュ!”

  1. ナビィさんの拘りは、内地の人間にとっては当たり前の事だと思います。沖縄の人の良い所でもあるのでしょうが、アバウト過ぎて私には理解に苦しむ事が多いです。ある三線店で20万の三線(シラタ無しのカミゲン)を買った時の事ですが、カラクイが滑りチンダミが出来ない、それも渡慶次さんのカラクイです。送り返してくださいばかりで3回も送りましたが何度やってもダメでもう無理だと思い削らない状態のカラクイを送ってもらい自分で削りました。その時試しに古いカラクイで細かく削り調整しましたがどうしてもガタが出るのでおかしいと思い棹穴が楕円形になってる事に気づきリーマーでほんの少しだけ削ったところガタも滑りも全く無くなりました。私は少し拘り過ぎなのかもしれませんが、音はもちろんのことティーガーや紐の種類、色、結びにもこだわって三線ライフを楽しんでいます。これからもナビィさんの拘りをとことん追求してもらって最高の三線に仕上げていって下さい。沖縄に行った時にはお店を覗かせて貰います。

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