今日の修理は 「 折れたカラクイの交換 」 です
「久しぶりに三線を弾こうしたら、調弦する時に折れてしまった」と、残念そうな表情で来店されたお客さま。
この日はたまたま急ぎの修理などが無かったので、お客さまのモチベーションが下がり切ってしまう前に練習再開が出来るよう、最優先で作業に取り掛かりました。
まずは作業がしやすいように、他のカラクイを全部外しておきます。
折れたカラクイを取り外す方法は大きく分けて2種類あります。
今回は弦にダメージを加えたくなかったので、「カラクイを反対側から押し出す方式」での作業となりました。
硬くて細長い棒を反対側の穴に入れ、ハンマーなどで力を加え、折れたカラクイを押し出します。
棹が動かないようにしっかりと固定し、少しずつ慎重に打撃を加えていきます。
最初は軽く、外れなければ徐々に打撃を強くしていきます。
折れたカラクイを取り外すもうひとつの方法として、「カラクイをペンチなどで回す方法」があります。
弦を除去した上で、ペンチでカラクイを掴んで回します。
力が余って回りにキズなど付けないように慎重に力を入れます。
この際、糸蔵の内側に布やダンボールなどを当てておくと、より安全に作業ができます。
カラクイの先端が無事に取れました!
新しいカラクイを取り付ける前に、リーマーで穴の中を綺麗に掃除しておきます。
お次は新しいカラクイの削り作業です。
まずは荒削りで大まかな太さまで削り。。。
次に、荒削りよりも細かい目のヤスリで表面をなだらかにしていきます。
「荒削りのままで完成」としてしまう三線店が多いなか、当店では手間ひまをかけて快適な回し心地と見た目の綺麗さの両立を追求しています。
最後に仕上げ削りを行います。
表面のデコボコがほとんどなくなるので棹の穴とピッタリ密着し、松ヤニなどを使わなくてもしっかり止まるようになります。
「きちんと削ればきちんと止まる」
それがカラクイの鉄則です。
しかし残念ながら、最近は多くの職人がきちんと削る作業を怠り、安易に機械式や金属製などのカラクイに頼るようになってきています。
これまでに色々な三線店の三線を修理してきましたが、機械式・金属製のカラクイを前面にアピールしている三線店ほど、本来の削りが満足に出来ていないように見えるのは、自分の気のせいでしょうか…?
カラクイの削り作業はまだまだ続きます。
先ほど削った先端部分と手で握る部分の段差がこのままでは見栄えが悪いので、放置せずに丸ヤスリを使って綺麗に整えます。
削り作業が終わったら、弦を通す穴をドリルで開けます。
穴の位置は、弦の巻きつけ量やカラクイの太さ、歌口からの距離などを考慮して慎重に決めておきます。
棹にカラクイを取り付けて、弦を張れば修理完了です。
ちなみに、今回の修理の所要時間は20分ほど掛かりました。
お客さまのモチベーションも下がっていないようで一安心。
新しいカラクイで心機一転、練習を楽しんでくださいね。(^^)
(文章・写真:店主)
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