三線界のパガニーニ !?
お店に時々お越しになる県立芸大に通われているお客さまから、驚きの演奏秘話をお聞きしたのでご紹介します
先日、彼女の演奏をとても楽しみされていた方々がいらっしゃる場所で
演奏中に女弦が切れてしまうアクシデントに見舞われたそうです
皆さまが、この日をとても楽しみにされていたのに演奏出来ないなんて…
弾けないなんて言えない…
お母様が「どうしよう?」とご本人に聞いたところ
「大丈夫!弾く!できる!!」と
そして…
なんと!!
「ほかの弦で女弦の音を補って演奏を続けた」のだそうです
すごい!
しかも「事前にそういった練習は、まったくしていない」との事なのでさらに驚きです
卓越した技術はもちろんですが、視覚が不自由な分、他の感覚が研ぎ澄まされているのですね
三線の場合、基本のポジションでほとんどの曲が弾けてしまうので「ハイポジションで弾く」という考え自体があまりありません
※ハイポジションで弾く曲はありますが「他の弦の音を補うという意味ではあまりない」ということです
「八」や「高い尺」を多用するごく一部の曲で「中位(セカンドポジション)」を使う程度なので、「全くポジション移動をした事がない」という人も多いのではないでしょうか
このお話を聞いた時に思い出したのが
「演奏中に弦が切れ、残り一本になっても引き続けた」
というバイオリンの奇才パガニーニの逸話でした
楽器は違えど、まさにパガニーニを連想させるシチュエーションです
参考までに ↓
お客さまを喜ばせたい一心からの素晴らしいお話しをうかがうことが出来ました
彼女には三線界のパガニーニを目指して欲しいくらいです
余談ですが、彼女からは「高さが1センチの特製竹ウマ」をご用命頂いていました
通常の竹ウマの高さは1.1cmなので1ミリ高さを下げる形になるのですが、「この高さが一番弾きやすい!」と大好評をいただいています
弦高が微妙に下がる事によってバチと弦の距離感や左手の押さえの感覚が変化し、総合的な弾きやすさにつながっているのだと思います
また、高さを下げる加工と同時に「ウマが倒れにくい角度」も特別に強めに付けるようにしています
最近出回っている竹ウマは前後の角度に差がない物が多く、立て方によっては倒れやすくなってしまうのですが、それを最大限に防ぐように後ろの角度を直角に仕上げています
今後もますますの活躍を期待していますよ
かげながら応援させていただきます!
(写真 ・文章 / 店主)