今回の修理は歌口です。
見たところ、溝の幅が弦よりもかなり広く削られていますね。
上から見てみると溝の広さがよく分かります。
では早速歌口を外してみましょう。
外してみてビックリ!
溝の奥に更に溝が刻んであるではありませんか!
恐らく弦高を下げる調整をしようとしたのだと思いますが、このような場合は新しく作り直すのがセオリーです
歌口を新しく作り直します。
材料の牛骨を適当な大きさに切り分ける所からスタートです。
三線の溝にピッタリと合うようにヤスリで削っていきます。
表面に削り跡などが残らないように、中目→細目→極細とヤスリを変えて削ります。
溝に隙間無くピッタリと仕上がりました!
直線や角も迷い無くビシッと綺麗に仕上げます。
削り跡だらけで美しさのカケラもない仕上げをする職人が多い中、当店の最低限のこだわりです。
溝を刻む位置を決めるため、正確なガイドを使って歌口に印を付けます。
このガイドのお陰で溝の間隔はもちろん、棹に対しての片寄りも無く完璧に仕上げる事が出来ます。
印の位置に実際に溝を削っていきます。
必要最低限の幅だけ、極細ヤスリでゆっくり丁寧に削ります。
この行程を電動工具で行う職人も多いのですが、そのような歌口を見ると男弦の幅が狭いままの状態で放置している例が多く見受けられます。
恐らく幅1ミリの回転工具で一様に削っているのだと思いますが、男弦の幅自体が1ミリなのでそれでは狭すぎます。
溝の削りが終わりました。
元の歌口と比べてみるとこんな感じです。
当店の歌口は、弦の幅を考えて溝の幅を決める事はもちろん、弦がスムーズに通るように溝の角を丸くして負担を最小限にする配慮もしています。
一口に「歌口」と言ってもこれだけの差があります。
小さい部品だからといって手を抜いてはいけません!
新しい歌口を棹に取り付け、弦を張ったら全行程完了です。
綺麗で精密な歌口は上等三線の基本です。
あなたの三線は大丈夫ですか?
以下に当てはまる場合は歌口の修理をオススメします。
・弦の浮き上がり(弦高)が高すぎる・低すぎる
・溝と溝の間隔が左右で違っている
・3本の弦が左右どちらかに偏っている
・男弦の調弦がなかなか決まらない、男弦の動きが悪い
・歌口付近でビビリ音が発生している
・歌口を綺麗な物にしたい
歌口の新規製作は「2,000円」です。
作業に空きがあれば30分程度で完了します。
修理のお問い合わせはお気軽にどうぞ。
(写真・文章:店主)
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お問い合わせがご面倒な場合は直接三線をお送り頂いてもOKです。
その場合は希望修理内容のメモ書きを入れておいてくださいね。
三線ドックも受付中
三線の健康状態を長く保つために、三線ドックを受けてみませんか?
棹や皮の状態はもちろん、ブーアティー、塗りの状態、カラクイの削り具合、歌口の状態、弦や糸掛け・ウマに至るまでを徹底的にチェック!
検査結果によって修理や調整が必要な場合は、修理内容や費用・期間などもお知らせします。
三線ドックのお申し込みはこちらのフォームから
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料金:3,000円(一丁)
所要日数:2~3日(配送期間を除く)
※お電話でもお申し込み・お問い合わせいただけます
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