内間直樹氏仕上げの棹が上がりました!

内間直樹氏仕上げ棹(天)
内間直樹氏仕上げ棹(天)

ベテラン三線職人「内間直樹氏」に依頼していた棹の直しが帰ってきました。
左が「ユシの実材」右が「黒檀(海外産)」です。

黒檀の方は自分(店主)が少しずつ直しを入れていたのですが、なかなか時間が取れずに放置状態だったものです。
さすがベテランの職人さん、きっちりとした素晴らしい仕上がりです。

内間直樹氏仕上げ棹(鳩胸)

鳩胸の部分です。
全体的に直線も曲線も迷いがなく、すっきりとシャープな印象。

塗りは両方とも「スンチー塗り」で仕上げ予定。
塗りの依頼はもちろん、鏡面のような研ぎ出しに定評のある「比屋根良章氏」です。
素晴らしい仕上がりの棹となること間違いなし!

内間直樹氏依頼原木(全体)

内間氏には今回、原木からの棹の制作もお願いしました。
左の原木は「中割ち状態」、右の原木は「荒割ち状態」です。

内間直樹氏依頼原木(天)

両方とも長期間寝かせてあった上質な材料なので、こちらも上等な棹となるでしょう。
完成がとても楽しみです!
仕上がり次第、ホームページ・ブログなどでご紹介しますね!

グラグラ棹の上等(?)三線…

一見すると正常に見える三線、実は・・・

お客さまより「棹がグラグラ動くので直して欲しい」との依頼がありました。

早速三線をチェックしてみると・・・

一見すると正常に見える三線、実は・・・

この状態では一見すると普通に見えますが、棹に少し力を加えるだけで・・・

棹に少し力を加えるだけでグラグラと動きます

先ほどの写真と比べて棹が動いているのが分かるでしょうか?

正面から見て右側が後ろに下がっている状態です。

グラグラ棹の動画

分かりやすくアニメーションにしてみました。

これはヒドいです…

棹と胴体をきちんと固定」するのは三線の基本!

このような状態ではまともに弾けないので上達の妨げになるのはもちろん、異音の原因にもなるので楽器として完全に失格です。

棹と全く合っていない棹穴、完全な欠陥品です

棹を外して棹穴をチェック。

穴のサイズを計ってみると、棹のサイズに比べて6ミリも大きな隙間があることが分かりました。

棹の隙間を埋める木片などが脱落した可能性も疑いましたが、胴体の中に落ちている様子もなく、木片を接着したような痕跡も全くありませんでした。

状態が分かったら早速修理開始です。

写真は撮る時間がありませんでしたが、棹がきっちり完璧に固定されるように正確に丁寧に、同時に分当ても適切に修理を行いました。

ビシッと調整された三線で、気持ちの良い三線ライフを楽しんでくださいね!

修理に割とよく持ち込まれる組合製の三線

今回の三線は某団体さんの三線でした。

某団体さんの三線は割とよく修理に持ち込まれますが、素晴らしい出来映えの逸品に感心する事もある反面、「材質や皮は上等なのにそれ以外の部分が雑でいいかげん」という物の割合が高いな、という印象があります。

職人さんによる品質のばらつきが非常に大きいのが一番の問題でしょう。

それもそのはず、某団体さんが保証しているのはあくまでも棹の材質のみであり、棹自体の出来映えはもちろん、それ以外の品質に関する保証や規定は何一つありません。

楽器として工芸品として問題のある物がブランド品として出回ってしまう事は、某団体さんにとってもイメージの低下に直結する要因となり、デメリット以外の何物でもないと思います。

「ブランド化に注力するよりも先にするべき事があるのでは?」と心配せずにはいられません。

せっかく高いお金を出して買ったのに、がっかり…
そんな事にならないよう、三線を見る目はしっかりと養いましょう。

写真・文 店主

↓合わせて知りたい「ナビィ三線 上等三線への10のこだわり」↓

上等三線への10のこだわり